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ごあいさつ(2022年度 代表メッセージ)

令和4年の新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

昨年は、新型コロナに始まった一年となりました。
幸い、年末に向けて感染者数も減少し、本年は未来への希望とともに迎えられたように思います。

コロナ禍においては、当事務所でも執務体制に影響を受け、業務の一部制限や、電話受付・面談の休止等により、依頼人の皆様には多くのご不便をおかけしております。この状況はもうしばらく続きそうですが、何卒ご理解・ご了承をいただけますと幸いです。

ところで、現在の世の中には、コロナ禍にあったからこそ生み出され、注目され始めた商品・サービスも多く見受けられます。厳しい状況下にある人々の生活を少しでも豊かにするため、また、低迷した経済活動を少しでも回すための、まさに「人類の叡智」によるものであり、これは大変素晴らしいことであると感じております。

しかし一方で、こういった商品・サービスの中には、疑問を感じるものも見かけます。
というのも、「利便性」を重視するあまり、「安全性」や「信頼性」を犠牲にしているものが少なくないように思われるのです。

特に懸念されるのが、「ユーザーの利便性のために、無関係な他人に不利益や被害を与えかねない」ようなサービスです。例としてはいろいろありますが、たとえば以前に大きなニュースにもなった、某電子決済サービスの不具合などが挙げられるでしょう。(余談ですが、これとは全く異なる流行の某サービスで、実際に当職も「被害」を受け憤慨したことがあります。)

このようなサービスは、一応はユーザーの利便性を実現するものですから、正当化されやすく、問題視されにくいという特徴があります。「低額」とか「無料」であれば、なおさらです。加えて、コロナ禍という非常事態にあることが、さらに拍車をかけているように思われます。

たしかに、「緊急性」を考慮すれば許容すべき、という考え方もあるかもしれません。
しかし、いざコロナ禍が終息して、世の中の状況が少し落ち着いた頃合いには、あちこちで様々な問題が明らかになっていくのではないかと、個人的には心配しています。

日本人は、「新しいものを良いと考える」、「先進国のものを優れていると考える」、「皆がやっていれば大丈夫と考える」、「ネットなどのメディア情報を信じやすい」などの気質があると言われています。こういったバイアスが自分にかかっていないかをしっかりと認識した上で、新時代の商品・サービスを選択することが、今後は特に大切になるのではないかと思われます。

さて、我々弁理士が提供するサービスについては、『「利便性」を重視するあまり、「安全性」や「信頼性」を犠牲にする』といったことは、決して許されないと考えます。とはいえ、だからといって、旧態依然の態勢のままというのも、令和という時代には相応しくないでしょう。

個人的には、依頼人にとってプラスとなる新しい時代のサービス提供の形を模索しつつも、「安全性」や「信頼性」という観点から、それが極端なものとならないようにする「中庸的」な考え方が必要ではないかと感じています。

では、それは具体的にどういったものでしょうか?

これについては、非常に難しい問題であると言わざるを得ません。
当職も昨年は年中考えていましたが、残念ながら、いまだ明確な答えは見付かっておりません。
しかし、2020年、2021年という厳しい時代を経て、うっすらと考えがまとまってきたようにも感じております。

2022年は、このような新しい時代に相応しいサービスの実現も視野に入れた上で、引き続き、依頼人の皆様のお役に立てるよう、精進していく所存です。

本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

令和4年1月6日
代表弁理士 永露 祥生

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