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ごあいさつ(2020年度 代表メッセージ)

「令和」の時代が、本格的に始まりました。

新しい技術・サービスの発展により、世の中はますます便利になっています。
スマホがあれば、何でもできる
良いか悪いかは別として、このような時代の流れがあるのは確かです。

それもあってでしょうか、最近の人々は特に、
安く」、「てっとり早く」、「ラクをして
といった点を、何ごとにも求める傾向があるように思います。

そして、これはビジネスの世界にも影響を与えていると言えます。
このような要求に応えようとする商品やサービスを、近年は多く見かけます。

ところで、弁理士業においても、
安く」、「てっとり早く」、「ラクをして
依頼ができるといった点などをアピールしている特許事務所や弁理士が、
特にインターネット上では散見されるようです。

しかし、弁理士業(「士業」全体に言えることかもしれませんが)では、
その役割や使命を考えれば、このような流れに乗るべきではない
と私は考えます。
なぜなら、これらが本当に「クライアントの利益になる」とは言い難いからです

たとえば、お医者さんによる「医業」を考えてみてください。
皆さんが、病気になったり、体調がすぐれなかったりするときに、
「安く」、「てっとり早く」、「ラクをして」
診察してもらえることを基準に、病院やお医者さんを探す人などいるでしょうか。
症状が重い場合などは、そのような人など絶対にいないと思います。

別に安くなくていいから、適切な処置をしてほしい。
 症状などについてしっかりと話を聞いてもらい、
 自分に合ったベストな治療や処置を提案してほしい。
 専門性が高い病院であれば、少し遠くても通いたい。

皆さんは普通、こうお考えになるのではないでしょうか。

さらに、症状が重ければ比較的長い期間にわたってかかりますから、
主治医や病院との信頼関係を築くことも非常に大切となります。

前置きが長くなってしまいましたが、弁理士業もこれと同じです。
私は10年以上弁理士をやっていますが、クライアントとの関係を考えると、
弁理士とお医者さんの役割には、多くの共通点があるとよく実感します。

クライアントが、知的財産に関する悩みや問題を抱えている場合、
弁理士は、それらを解決するためにしっかりと話を伺った上で、
クライアントごとに適した、ベストな助言や提案をすべきです。

そして、その実現や解決のためには、それなりの費用がかかることもあるでしょう。
しっかり時間をかけて検討した分、ご請求をさせていただくのは当然の権利です。
また、悩みや問題を適切に解決するためには、クライアントご自身の協力が必要となる場合も少なくありません。弁理士に依頼する場合であっても、ご自身にそれなりの手間や労力がかかることも、当然考えられることです。

加えて、知的財産の悩みや問題の解決には、長期の時間を要することも少なくありません。ですから、担当弁理士との信頼関係を築くことも非常に大切です

このように申し上げると、

「いやいや、大げさな。病気は命にかかわることだからでしょ?
 知的財産のことくらいで、そんなに深刻に考えるのは馬鹿げている。」

と、思った方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、そう思ったのであれば、少し楽観的すぎるでしょう。

知的財産の悩みや問題というのは、事業者にとって決して些細なことではありません
病気と同じように、深刻になれば命を取られる(倒産や廃業に追い込まれる、社会的な信用が地に落ちる)ことも十分に考えられるのです。
まずは、この点の認識からあらためていただきたいと思います。

ところで、先ほど「てっとり早く」とか「ラクをして」という観点から病院やお医者さんを選ぶ人などいないだろうと述べましたが、患者さんに対して、「迅速に対応すること」とか「余計な負担をできるだけかけさせないこと」は、病院にとって配慮すべきことです。
もちろん、これは、われわれ弁理士業にとっても当てはまります。

こうして考えてみますと、弁理士業においてクライアントに提供すべきは、
決して「安く」、「てっとり早く」、「ラクをして」といった点ではなく

適正な価格で、依頼人ごとに適切な助言や提案をすること
依頼人に対して、迅速に対応すること
依頼人に余計な負担をできるだけかけさせないよう配慮すること

といったことではないかと、私は思います。
言われてみれば当たり前なのですが、厳しい時代の流れの中で、
これを見失っている弁理士も少なくないように思います。

当事務所でも、設立時より気を付けている点ではありますが、
これらについては、本年も引き続き重視していく所存です。

残念ながら、通信販売で商品を売るような感覚で、
弁理士業を行っていると思われる者も、一定数存在しているのが現状です。
皆さんが特許事務所や弁理士への依頼をお考えになる際には、
ぜひ、上述したことを思い出していただければと存じます。

当事務所では、時代に流されず、不確かな情報にまどわされることなく、
本質を見失わない賢明な事業者の方々からのご相談をお待ちしております

当事務所は、知的財産の中でも「商標業務」が専門です
どうぞお気軽に、当職までご相談ください。

令和2年1月6日
代表弁理士 永露 祥生

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