商標登録したい ~申請前のチェックポイント~
「商標登録したい。早速、申請しよう!!」
スピードが重視される現代では、このように迅速に行動される方も多いでしょう。
でも、ちょっと待ってください!
商標登録は、申請をすれば必ず登録されるわけではありません。
登録が認められるには、特許庁の審査にパスすることが必要です。
ですから、商標登録の申請は、審査にパスできるように、慎重な準備が必要です。
早く商標登録したいからと、見切り発車をするのは望ましくありません。
商標登録は、登録できなかった場合でも申請手数料は戻ってきません。
よって、費用を無駄にしないためにも、申請前の最低限のチェックは大切なのです。
そこで、残念な結果とならないよう、商標登録したい商標について、申請前に最低限チェックしておきたい5つのポイントをご紹介いたします。
自分で申請手続をお考えの場合はもちろん、特許事務所に代行を依頼する場合にも、ご活用いただけます。ぜひ1つずつチェックをしてみてください。
なお、商標登録が初めてという方は、こちらの「商標登録の流れ」ページを先にご覧いただき、まずは制度の概要をご理解いただくのがよろしいかと存じます。
チェック①:「商標」を構成するものですか?
チェック②:商品やサービスは決まっていますか?
チェック③:商標としての機能を発揮できるものですか?
チェック④:有名商標のパクりやパロディではないですか?
チェック⑤:他人が先に商標登録をしていませんか?
全てクリア:さぁ、申請準備を始めましょう!
チェック①:「商標」を構成するものですか?
まずチェックすべきポイントは、商標登録したい対象が「商標」を構成するものかどうか、という点です。
商標登録の対象となる商標は、以下の要素から構成されていることが必要です。
(2)図形
(3)記号
(4)立体的形状
(5)色彩
(6)(1)~(5)の要素が結合したもの
(7)音
(1)の文字は、平仮名、カタカナ、漢字、アルファベットのいずれでもOKです。これらを組み合わせたものでも構いませんし、数字が入っていても大丈夫です。文字間にスペースを入れるのも問題ありません。
(2)の図形は、キャラクターイラストのようなものでもOKです。
ロゴで使うシンボルマークも、図形として商標登録の対象となります。
なお、(4)(5)(7)については、かなりの使用実績がない限り、登録が認められるハードルは非常に高いのが現状です。よって、基本的には、文字や図形が商標登録の主な対象であるとご理解ください。
チェック②:商品やサービスは決まっていますか?
商標は、商品やサービスについて使用されるものです。
ですので、商標登録の際にも、その商標を使用する商品やサービス、その商標を使用する予定の商品やサービスを、指定することが必要となります。申請書に指定した商品やサービスの範囲が、商標権の権利範囲(効力範囲)になるのです。
商標登録は、商標と商品・サービスをセットで登録するものと考えれば、わかりやすいでしょう。
したがって、単に思い付いた文字自体や図形自体の独占を目的として、商標登録したいということであれば、そもそもの制度利用が間違っています。
商標登録したい商標が、どのような商品やサービスについて使用するものなのか、申請前にしっかりと把握しておきましょう。
チェック③:商標としての機能を発揮できるものですか?
商標は、自分と他人の商品・サービスを区別するために使われる識別標識です。ですので、識別標識としての機能を発揮できないような文字や図形は、原則として商標登録が認められないとされています。
たとえば、以下のような商標は、識別力がないとして登録が認められません。
(2)商品やサービスについて慣用されているもの
(3)商品やサービスの性質・特徴や内容を意味するもの
(4)ありふれた氏や名称
(5)極めて簡単で、かつ、ありふれたもの
(6)何人かの業務にかかる商品・サービスであることを認識できないもの
(1)は、その商品やサービス自体の普通名称等という意味です。
たとえば、商品「りんご」に「アップル」はこれに該当しますが、商品「スマートフォン」に「アップル」はこれに該当しません。
(3)は、たとえば、商品「りんご」に「あまい」「おいしい」「青森産」といったものが該当するでしょう。これらを組み合わせた場合も同様に該当します。ただし、あくまで商品・サービスの性質や内容を直接的・具体的に表したものに限られ、間接的・暗示的に表したものは除かれます。
このあたりのボーダーラインが実務上も微妙であるため、ご自身での判断が難しい場合は、事前に特許事務所の弁理士にご相談されることをオススメいたします。
(4)は、たとえば、「山田」「佐藤」「田中商店」「森株式会社」などが該当します。ただし、行政区画名と業種名とを結合してなる会社名については、他に同一のものが現存しないと判断された場合には、これに該当しないとされています。たとえば、「日本タイプライター株式会社」や「日本生命保険相互会社」がこれに当たります。
商標登録したい商標が、上記(1)~(6)のものに該当する場合、そのまま申請をしても、原則として商標登録は認められません。
見極めが難しいところではありますが、判断に迷った際には、申請手続の前に、弁理士にアドバイスを求めることをお勧めいたします。
なお、上記(1)~(6)に該当する商標であっても、これを図案化・デザイン化することで、登録が認められる場合もあります。いわゆる実務上のテクニックとなりますが、この場合には懸念や注意点もありますので、やはり申請手続の前に、弁理士に一度ご相談されるのがよろしいでしょう。
チェック④:有名商標のパクりやパロディではないですか?
有名商標には、商品・サービスの消費者や需要者の信頼が蓄積されています。
これらは、いわゆる「ブランド名」として、多くの人々に認識されております。
このような有名商標をマネした商標や、パロディ化した商標であれば、人々にも覚えてもらいやすいですし、話題性も期待できるでしょう。事業者の立場からは、こういった商標を採択したい気持ちもわからないでもありません。
しかし、需要者や取引者に正しい出所と誤認混同を生じさせるような、有名商標をマネした商標は、登録が認められません。
また、パロディ商標については、たとえ商標登録が認められたとしても、後々、パロディ元の商標の権利者とトラブルになったり、著作権侵害の問題が生じたりする危険性をはらんでいます。
あなたが、自分の商標を健全に育てていくつもりであれば、また、後々やっかいなトラブルに巻き込まれたくないのであれば、このようなパクり商標や、パロディ商標についての商標登録の申請は、厳にお控えになることを強くお勧めします。
チェック⑤:他人が先に商標登録をしていませんか?
商標登録は、「早い者勝ち」のルールが採用されています。
つまり、商標登録したい商標と同じ商標や、似ている商標について、他人が先に商標登録を受けている場合は、登録が認められません。
(※実際には、商品やサービスの関連性についても考慮されます。)
そこで、申請前には、そのような他人の登録商標が存在していないかを確認することが重要になります。
確認のための商標検索は、特許庁がインターネット上で公開しているデータベース(J-PlatPat)を利用して行なうことが「一応は可能」です。
商標登録したい商標が文字商標の場合、「同一の商標が存在しているか」については、比較的簡単な操作で検索することができます。また、「似ている商標が存在しているか」についてもある程度は検索することはできますが、実は「似ているかどうか」の判断は非常に難しいものなのです。商標実務に精通していない一般の方にとっては、きわめて困難と言わざるを得ません。
よって、本チェック項目は、専門家である弁理士に「商標調査」をご依頼されることを強くお勧めいたします。
全てクリア:さぁ、申請準備を始めましょう!
以上を全てクリアしていたら、早速申請準備を始めましょう!
もちろん、上記以外にも「商標登録が認められない理由」はあります。
ですから、特に商標登録が初めての場合、ご自身で申請手続は行なわずに、まずは特許事務所の弁理士にご相談されることを強くお勧めいたします。
なお、当事務所でも、弁理士が商標登録の代行を承っております。
当事務所は、商標専門の特許事務所です。
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