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必読!リスクを高める商標の6つの誤解

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最近、商標(特に商標登録)に関する誤解をよく見聞きします。
中には、事業リスクを高める深刻な誤解もあるようです。

そこで、本ページでは、皆様の商標に関するありがちな誤解を、少しでも解消できるよう、情報提供させていただきます。

商標登録についての理解や、商標案件を依頼する特許事務所を選ぶ際に、お役立ていただければ幸いです。




誤解その1 商標登録が必要なのは大企業だけ

商標登録が必要なのは大企業だけ?

商標登録は、むしろ中小企業や個人事業主の方々が、自らの身を守り、事業を有利に展開していくための強力な武器となるものです

すなわち、商標登録は小さな会社が「弱者の戦略」としても活用できるツールになると言えるでしょう。大企業だけに必要というのは、あきらかな誤解です


そもそも商標登録のメリットをご存知ですか?

商標登録を受けると、商標権という権利を取得することができます。

商標権があれば、権利の範囲内で、自分だけがその商標を独占して使うことができます他社が同じ商標や、似たような商標を無断で使った場合には、やめさせたり、損害賠償を求めたりすることができます。これにより、模倣品やモノマネ商品、便乗商法を排除することが可能となります。

また、商標登録を受けると、商標に®を付けることができます。
®表示があると、商品やサービスがブランドとして認識される気がしませんか?
これによって、消費者からの社会的信用がアップすることが期待できます。
また、取引先からの信用もアップし、ビジネス交渉がよりスムーズになることも期待できるでしょう。


安心・安全な事業のための「お守り」になります!

上述のように、商標登録は、あなたの事業を十分に有利にするものです。
中でも特に大きなメリットとして、商標登録をすれば、原則として、その商標を安心・安全に使えるというお墨付きを得たのも同然であるという点が挙げられます。

ビジネスを行なう上で、他人からクレームを受ける心配なく、安心・安全に商品名やサービス名となる商標を使い続けられることは、心理的にも非常に大きなメリットではないでしょうか。



誤解その2 商標登録は、商標がある程度有名になってから考えればよい

有名な商標でなければ、商標登録は不要?

商標登録は、原則として「早い者勝ち」のシステムです
使い始めた順ではなく、特許庁に申請した順に認められます。

ですから、商標が有名になるまで待っていると、その間に他人が先に商標登録をしてしまうリスクがあります

他人が商標登録をすると、当然その他人の商標権が発生します。
この時点から、あなたが同じ商標を使えば、商標権侵害のおそれがあるのです。
こうなると、あなたはその商標をそれ以上使うことはできません。

商標登録は、他人に知られる前に申請をすることが理想的です
つまり、「商標を使い始める前」に、1日も早く行うことが重要と言えます。
「有名になってから商標登録を考えればよい」というのは、真逆の誤解です。
近年、他人の商標を先取り申請する事例が頻発しているため、要注意です。



誤解その3 地元やネット上で使っているだけだから、商標対策は必要ない

地方やネット上だけで使うなら、商標登録は不要?

商標権の効力は、日本全国に及びます。
また、ネット上における商標の使用に対しても及びます

よって、地元やネット上での商標の使用が、他社の商標権を侵害する場合には、差止めや損害賠償などを求められるリスクがあります

なお、商標権の侵害を指摘された場合、「知らなかった」という言い訳は、原則として通用しません

たしかに、ごく狭い範囲で使っているだけであれば、事業戦略上、商標登録の費用対効果を考えることも必要でしょう。しかし、ネットが発達した現在では、検索サイトの利用によって商標の使用は簡単に把握されてしまいます。今のところトラブルがないのは、商標権者が見逃してくれているだけかもしれません。

いつどこでトラブルに巻き込まれるかわかりません。
やはり、事業で使う商標については、商標登録を受けておくのが安心です。

もし、商標登録しない選択をするのであれば、少なくとも、「安全に使うことができるのか」といった点について、商標調査をしておきたいところです。



誤解その4 商標登録は高すぎて費用対効果が悪い

商標登録にお金をかけるのはもったいない?

商標登録に多くのメリットがあることは、上述のとおりです。
ただ、たしかにそれなりの費用がかかるのも事実です。
一般的な特許事務所に依頼すると、最低でも10万円以上はかかるでしょう。

しかし、この10万円の中には、10年分の登録料が含まれていることにご留意ください。つまり、1年間に1万円程度で、上述のようなメリットを享受でき、安心を買うことができるのです。

経営者にとって、このような心理的負担の軽減はありがたいものです。
決して高いとも費用対効果が悪いとも思えませんが、いかがでしょうか。
商標登録は、「コスト」ではなく「投資」と考えるべきです

もし、あなたが過去に、商標登録に莫大な費用を要したという苦い経験があるとすれば、後述するように、依頼する特許事務所の選び方を間違ってしまったからかもしれません。



誤解その5 自分でも簡単に商標登録の申請ができる

商標登録は専門家に依頼しなくてもできる?

インターネット上では、さまざまな情報が溢れています。
その中には、「商標登録は自分でもできる」「商標登録の申請は簡単」といったような情報も見受けられ、やり方を説明したサイトやブログもあるようです。

「自分でできるなら、費用の節約にもなるし、やってみようかな」
そうお考えになる方がいらっしゃる理由も、不況の現代では理解できます。

しかし、ただ申請や登録をすることと、あなたにとって意味のある申請や登録をすることは異なる点に注意が必要です。

たとえば、楽器を演奏する場合を思い浮かべてください。
単にその楽器から音を出すだけなら、誰でも簡単にできるでしょう。
しかし、きちんとした演奏をするには、当然ながら経験やノウハウが必要です。

商標登録も同じです。
単に申請書を作って提出するだけなら、誰にでも簡単にできます。
しかし、あなたの事業に役に立つ適切な商標登録をするためには、申請書の内容や手続の進め方に、経験やノウハウが必要となるでしょう

自分で申請をしても、登録が認められなければ単なる費用の無駄です。
また、自分で申請して登録が認められたとしても、これが結果的に意味のない商標権や、役に立たない商標権の取得となっていれば、それも費用の無駄です。

自分で商標登録を成功させた方は、運良くうまくいっただけかもしれません。はたまた、実は失敗していることに気付いていないだけかもしれません。

たしかに、取り扱う商品やサービスが1つしかないとか、シンプルであるといった場合(たとえば、「飲食サービス」等)には、自分でも十分な商標登録ができることはあるでしょう。ですが、事業リスクを考慮した、適切な商標登録を目指すなら、やはり経験やノウハウのある専門家に依頼するのが無難です。



誤解その6 特許事務所のサービスは同じ。だから値段で選ぶ

特許事務所選びは料金の安さが優先?

事業者の多くの方々に、特に見受けられる誤解がこちらです。



どの特許事務所に依頼するかは重要なポイントです

特許事務所をお探しの方に、知っておいていただきたいことがあります。
それは、商標登録などを特許事務所に依頼した場合、そのサービス内容は特許事務所ごとに異なるものになるということです。

一般に馴染みのないサービスであるためか、特に誤解しやすい点なのですが、まったく同じ商品を、どのお店で買うかといった話とは本質的に異なるのです。
お医者さん、美容師、デザイナー等の「プロ」を想像してみてください。
これらの職業の方から受けられる「サービスの目的」は同じでも、その内容はどのような人に依頼するかで変わってくるものではありませんか?

特許事務所の弁理士も、基本的にこれと同じです。
たとえば、商標登録も、どんな弁理士に依頼するかによって、その結果や経緯が変わることも少なくありません。申請書作成のし方や手続の進め方、特許庁とのやりとり等には、ご依頼を遂行する弁理士個人のスキルやノウハウが必要となるからです。

「サービス申込みの代行」のように、誰に依頼しても同じ結果となるサービスとは根本的に異なります。くれぐれも混同しないようご注意ください。


特許事務所や弁理士にも専門分野があります

多くの場合、特許事務所や弁理士にも専門分野があります
弁理士にも、特許が専門の弁理士、意匠が専門の弁理士、商標が専門の弁理士、ライセンスが専門の弁理士、税関対策が専門の弁理士など、様々な弁理士がいます。これは、お医者さんに例えると、わかりやすいかもしれません。

一般的に、商標は商標専門の弁理士に依頼した方が安心と言えます。
他の分野を専門とする弁理士に依頼するよりも、通常、商標登録ができる可能性の判断の精度は高まるでしょうし、手続上のミスも少なくなるはずです。

特許事務所選びは、専門性を考慮するのも大切と言えるでしょう。
眼科の先生に、歯の治療を依頼することにならないように、注意したい点です。


料金の安さを売りにした特許事務所の増加

近年、業界内での顧客獲得競争も激しく、格安・激安料金の特許事務所を見かけるようになりました。特にインターネット上では、安さを売りにした宣伝広告をする特許事務所が散見され、商標登録の分野ではこれが顕著です。

実際、このような格安・激安料金の特許事務所に依頼が集まることも少なくないようです。「特許事務所のサービスは同じ。だから値段で選ぶ」という誤解が多少影響した結果と言えるかもしれません

格安・激安事務所の是非については、職業倫理の観点も含め、業界内でも議論があるところです。詳しい言及は控えますが、「なぜそんなに安いのか?」を、依頼を検討する前によく考えてみることは、大切なのではないでしょうか。
不況の世の中、そんなに都合の良い話などないと考えるのが普通です

一つだけ、リアルな話を挙げるとすれば、
常識外れな低価格を設定する特許事務所や弁理士は、同業者に嫌われる
という点は否定できません。

市場競争原理が働いているだけだから逆恨みじゃないか。たしかに正論なのですが、仕事を奪われる状態にある同業者も少なくないのが現状です。このような同業者から、文字通り「目の敵」にされるのは当然と言えば当然でしょう。

ただ、弁理士業務は、ご依頼の遂行のために、時には同業者に力を借りたり、協力したりと、横の繋がりが重要になる場合も少なくありません。
ですから、同業者に嫌われていると、不都合が生じることが予測されます。
職業倫理がありますので、協力を受けられないということはないでしょうが、やはり相手も人間ですから、積極的には協力を得られないかもしれません。

格安・激安事務所に依頼することは、もちろん依頼人の自由です。
低価格でも高品質な特許事務所も、中には存在しているかもしれません。
ですが、このようなマイナス面も予測されることも認識の上で、ご検討されることをオススメいたします。


特許事務所選びに失敗すると・・・

商標登録を依頼する特許事務所を失敗すると、たとえば、「登録できなかったのに、費用ばかりかかった」、「いつまで経っても結論が出ない」、「本当に必要な商品やサービスに権利が取れていなかった」、「全く不要な商品やサービスにまで商標登録をさせられた」といった不幸に見舞われるリスクが高まります。

これらは、実際によく耳にする依頼者側の不満でもあります。

すでに特許事務所に依頼していて、このようなご経験のある方は、もしかすると特許事務所の選び方を間違ってしまったのかもしれません。これを機に、もう一度依頼する特許事務所を見直してはいかがでしょうか。

インターネットは便利ですが、たいてい本当に大切な情報はありません。
弁理士業界も不況の煽りを受けてか、近年はモラルを疑う広告も散見されます。
情報の取捨選択には、じゅうぶんにご注意されることをオススメいたします。



まとめ

ここまでお読みくださり、ありがとうございます。

商標に関する誤解や、特許事務所の選び方の誤解について、何か一つでも気付きが得られたとすれば、幸いでございます。

商標登録をせずにビジネスを行なうのは、ある意味、防具を付けずに戦場に飛び出すようなものです。大企業に負けない、安心・安全・健全な事業を継続させていくためにも、これを機会に商標登録を見直してみてはいかがでしょうか。



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