ざっくり知りたい!商標登録(後編)
初めて商標登録が気になったら読むサイトの「後編」です。
以下、引き続きポイント6~10とまとめをご紹介いたします。
6.どんな商標を登録申請できるの?
基本的には、「商標」になり得る、文字や記号、ロゴマーク(図形)が一般的な対象です。
文字の場合は、ひらがなでも、カタカナでも、漢字でも、ローマ字でも、これらを組み合わせたものでもOKです。また、文字、記号、図形のそれぞれの要素を組み合わせたものもOKです。これらには、もちろん色を付けることもできます。
立体的形状や音についても、「商標」になり得るものであれば登録申請をすることができますが、特許庁が商標登録を認めるハードルは極めて高く、現実的には難しい状況となっています。
7.商標登録を申請して登録できない場合もあるの?
残念ながら、登録できない場合もあります。
商標登録の申請については、特許庁の審査官によって、商標登録を認めるか認めないかが「審査」(チェック)されます。
この審査を無事にクリアできれば、商標登録となります。
一方、審査をクリアできなければ、商標登録は認められません。
「では、どんなことが審査されるの?」ということになりますが、審査では、商標法の規定に基づいて、様々な登録条件がチェックされます。
それらの登録条件の中でも、実務上よく引っかかるのは、以下のようなものです。
(1)登録申請をした商標が、使用する商品やサービスの普通名称、品質、産地、性質などを意味しているにすぎず、「商標」として機能し得ない場合
(2)登録申請をした商標が、先に商標登録・登録申請がされた他人の商標と同じであったり、似ているような場合
(1)は、たとえば商品「りんご」について、「Apple」、「あまい」、「おいしい」、「青森産」といった商標を登録申請した場合が該当します。このような文字を表示しても、他人の商品である「りんご」と目印として区別ができませんので、「商標にはなり得ない」というのが理由です。こういった文字に商標登録を許してしまうと、商標権によって皆が使いたい表示ができなくなってしまいますので、商標登録の対象から排除しているのです。
(2)は、単に商標自体が同じか又は似ているかという点だけではなく、両者が願書に記載している商品やサービスに関連性があるかといった点も考慮されます。つまり、商標が全く同じでも、商品やサービスが全く異なるもの同士であれば、引っかかることはありません。
審査で引っかかると、特許庁から「拒絶理由通知」が送られてきます。
ただし、一度審査に引っかかっても、まだ最終決定ではありません。
「拒絶理由通知」に対しては、審査結果に書面で反論したり、他の関連手続を行なうチャンスが与えられているのです。その後の手段によって、審査官が考えを改めてくれたり、ほかの引っかかった理由を解消することができれば、最終的に商標登録を受けられる場合もあります。
なお、審査にかかる時間は、だいたい申請後7か月~9か月くらいです。
ところで、勘の良い方は上記(2)からお気付きかと思いますが、これはすなわち、商標登録は申請した順番で有利になる「早い者勝ち」の制度であるということを意味します。
ですから、商標の採用が決まったら、実はゆっくりしている余裕はありません。その商標をライバル会社が先に登録申請してしまうと、特別な事情がない限り、たとえ貴社が先に使用していたとしても、商標登録は認められてしまうのです。そうなった場合、貴社がその商標を使い続ければ、ライバル会社の商標権侵害となってしまいますので、注意が必要です。
8.商標登録にはいくらお金がかかるの?
お金がかかるタイミングとしては、基本的に2度あります。
(1)1度目は、商標登録を申請するタイミング、
(2)2度目は、審査をクリアして、正式に登録となる前のタイミングです。
料金については、いずれの場合も、願書に記載した商品やサービスのボリュームによって変動します。ここでは詳細は割愛しますが、一般的には、願書に商品やサービスの種類をたくさん書けば書くほど、料金は高くなるとご理解ください。たとえば、願書に記載した商品が、「化粧品」だけといった場合には、一番安い料金が適用されます。
この場合、(1)のタイミングでは12,000円、(2)のタイミングでは32,900円(※登録料10年分)がかかります。つまり、10年登録の場合、商標登録には最低でも44,900円程度の費用が必要であるとご理解ください。審査をクリアできなかった場合、(2)は不要ですが、すでに支払った(1)については返還されません。
なお、上記は特許庁に支払う料金のお話です。
特許事務所に商標登録を依頼する場合には、これに加えて特許事務所のサービス料金が必要となります。具体的な料金は、特許事務所ごとに異なります。
9.商標登録の申請って自分でもできるの?
一応は可能です。
自分で願書を作って、自分で特許庁に登録申請の手続をすることができます。
ただし、「一応」と言ったのには理由があります。
なぜなら、願書の記載にはノウハウがありますし、審査で引っかかってしまった場合に自力で対応するのは決して簡単ではないからです。各種手続方法も、意外と煩雑です。
ですので、商標登録をお考えの際は、専門家である弁理士に手続の代理を依頼されるのが理想です。弁理士は、願書の作成・提出、審査で引っかかった場合の対応など、あなたの代わりに適切な処理を行なう頼れる存在です。
なお、弁理士は一般的に、「特許事務所」や「特許業務法人」で、代理業務を行なっています。
10.弁理士とは何をする人なの?
弁理士は、知的財産のエキスパートです。
代理人として特許庁に提出する書類の作成や手続を行なったり、知的財産権に関するトラブルや問題を解決するのが仕事です。「商標」も知的財産の一つで、「商標登録」は弁理士の得意分野です。
商標登録についてご検討の際や、お悩み・お困りごとが生じた際には、まずは弁理士にご相談されると良いでしょう。
まとめ ~これだけは覚えておきたいポイント3つ~
さいごに、商標登録の超重要ポイントを3つ挙げておきます。
ぜひ覚えておくと、お役に立つと思われます。
その2: 商標登録は、事業のリスクを減らし、「安心」を買えます!!
その3: 商標登録は、「早い者勝ち」です!!
商標登録については、以下もぜひご参照ください。
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