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類似商品・役務審査基準(国際分類第12-2024版対応)の公表

<新着ニュース> 2023年12月11日

今年も年末恒例の、「類似商品・役務審査基準(国際分類第12-2024版対応)」が、特許庁のウェブサイトに公表されました。

この「国際分類第12-2024版」は、令和6年1月1日以降の出願に適用されます。

今回の改訂は、総合的に見るとあまり大きな変更等はないと言えそうです。
ただ、特定の業界によっては、注意が必要な変更等も見受けられます
たとえば、第33類「ビール風味の麦芽発泡酒」の追加や、第29類「調理用野菜ジュース」から「調理用野菜搾汁」への表示変更などが挙げられるでしょう。

本年も、特許庁による「変更点一覧」を確認いたしましたので、本ページでわかりやすく取りまとめたいと思います。皆様の実務においてご参考になれば幸いです。

なお、下記の情報は、変更点一覧にある一部を抜粋したものです。
マイナーな変更点は他にもありますので、念のため、各自で上記特許庁のサイトをご確認願います。また、国際分類表の変更点も併せてご確認されることをお勧めいたします。今回は特に、「NFT関連商品・サービス」や「仮想空間関連商品・サービス」についての多数の追加等が見受けられ、参考になります。

今後、更なる変更や修正・訂正が入る可能性もあります。
情報のご利用に当たっては、適宜特許庁のホームページもご確認願います。



1.新規追加

「国際分類第12-2024版」では、以下の商品・役務等が新たに追加されています。


・第6類「スーパーマーケットで使用する金属製手提げ用買物かご」(19B42)
・第20類「スーパーマーケットで使用する手提げ用買物かご(金属製のものを除く。)」(19B42)

・第8類「ヘアアイロン」(11A07 21F01)
・第8類「カール用ヘアアイロン」(11A07 21F01)
・第8類「ストレート用ヘアアイロン」(11A07 21F01)

・第11類「LED電球」(11A02)

・第11類「身体用保冷パック(医療用のものを除く。)」(19B50)
・第21類「食品及び飲料の保冷用アイスパック」(19B50)

・第16類「ティッシュペーパー」(25A01)

・第4類「点火用かんなくず」(05A01)

・第31類「動物用寝わら」(19B33)
・第31類「動物の寝床用かんなくず」(19B33)
・第31類「ペット用砂敷き紙(寝わら)」(19B33)
・第31類「ペット用芳香砂(寝わら)」(19B33)

・第33類「ビール風味の麦芽発泡酒」(28A02)

一応、「新規追加」とはなるものの、これらの大部分は、現在の特許庁の審査においても表記が認められています。ただし、「ビール風味の麦芽発泡酒」については、これまで「第32類」に分類されるものと扱われていましたので、改訂後は要注意となります。

「買物かご」は、これまで第20類に含まれる商品とされていましたが、改訂後は、「金属製」のものは第6類に分類されることが明確化されました。なお、「家庭用買物かご」は、材質によらず第21類に分類される模様です。

「かんなくず」は、これまで第22類が主な分類とされ、「動物の寝床用かんなくず」の場合は第31類に分類されると扱われていましたが、改訂後は、さらに第4類に「点火用かんなくず」が細分化される形になると言えるでしょう。



2.区分の変更

「国際分類第12-2024版」では、以下の商品の区分が変更となります。


・第16類「写真立て」(26D01) → 第20類へ
・第16類「印刷したくじ(「おもちゃ」を除く。)」(19B47)
 → 第28類へ

第16類についての商標登録出願をする際、「写真立て」をついでに含めるケースは少なくないように思います。改訂後は第20類の分類となることから、過去の指定商品の記載を流用して願書を作成する場合は要注意となります。

「印刷したくじ(「おもちゃ」を除く。)」は、「(「おもちゃ」を除く。)」となってはいるものの、改訂後は、実質的に「おもちゃ」と同じ第28類に分類されることになりそうです。



3.表示変更

「国際分類第12-2024版」では、以下の商品・役務等の表示変更がされています。


・第6類「くぎ」 → 「金属製くぎ」
・第6類「ナット」 → 「金属製ナット」
・第6類「びょう」 → 「金属製びょう」
・第6類「ボルト」 → 「金属製ボルト」
・第6類「リベット」 → 「金属製リベット」
・第6類「ワッシャー」 → 「金属製ワッシャー」
・第6類「鎖」 → 「金属製鎖」

・第9類「濃度計」 → 「濃度計(医療用のものを除く。)」
・第22類「かんなくず」 → 「詰め物用かんなくず」
・第24類「カーテン」 → 「織物製又はプラスチック製のカーテン」

・第29類「調理用野菜ジュース」 → 「調理用野菜搾汁」
・第30類「コーヒー豆」(32D04)
 → 「コーヒー豆(生のもの)」(32D04)

・第35類「タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与」
 → 「複写機の貸与」

注意が必要と言えそうなのが、第29類「調理用野菜ジュース」から「調理用野菜搾汁」への表示変更でしょう。個人的には、これまでの表記は「飲料用野菜ジュース」とかなり紛らわしいと思っていたので、今回の表示変更は望ましい印象です。

その他の商品についても、基本的にはより具体的な表記とすることで、誤解を生じにくくするのが目的の表示変更と考えられそうです。

なお、現在、「竹製カーテン」は第20類に分類されています。
また、「焙煎したコーヒー豆」や「挽いたコーヒー豆」は、同じ第30類に分類されますが、類似群は「29B01」となっています。

第35類「タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与」から「複写機の貸与」への表示変更は、おそらくは「タイプライター」や「ワードプロセッサ」が今の時代にそぐわないものになったことによるものと思われます。



4.削除

「国際分類第12-2024版」では、以下の商品・役務等の削除がなされました。


・第14類「貴金属製ボンネットピン」
・第26類「ボンネットピン(貴金属製のものを除く。)」

・第20類「買物かご」
・第21類「化学物質を充てんした保温保冷具」
・第32類「合成ビール」
・第41類「光学機械器具(望遠鏡を除く。)の貸与」

第20類「買物かご」は、上述のように材質によって細分化されました。



まとめ

今回の改訂は、昨年に比べると対象の数も少なく、実務的な影響がある事業者も、特定の業界に限られると言えそうです。

ただし、第33類「ビール風味の麦芽発泡酒」の追加(現在は第32類の取扱い)や、願書に指定商品として比較的よく記載される第16類「写真立て」の区分変更、第29類「調理用野菜ジュース」の表示変更には注意が必要でしょう。

また、今回は国際分類表でも、特に「NFT関連商品・サービス」や「仮想空間関連商品・サービス」についての多数の追加等が見受けられますので、参考になります。関連する事業者にとっては、併せて確認をしておくことがお勧めされます。その他の追加点・変更点も、業種によっては注意が必要と言えそうなものがあります。