| サイトマップ | | プライバシーポリシー |

お問い合わせはこちら

類似商品・役務審査基準(国際分類第11-2022版対応)の公表

<新着ニュース> 2021年12月21日

今年も、「類似商品・役務審査基準(国際分類第11-2022版対応)」が、特許庁のホームページに公表されました。

この「国際分類第11-2022版」は、令和4年1月1日以降の出願に適用されます。

今回の変更点でもっとも注目すべきは、「衛生マスク」が第10類に分類される商品として、国際分類に追加された点でしょう。わが国では、これまで「衛生マスク」は第5類に分類されていましたが、これに伴い、第10類に区分変更となります

また、第36類「暗号資産の売買又は他の暗号資産との交換」、第41類「録音又は録画済み記録媒体の複製」、第44類「景観の設計」、第45類「着物の着付け」等が追加されたほか、第40類「廃棄物の収集・分別及び処分」が、第39類「廃棄物の収集」と第40類「廃棄物の分別及び処分」に分かれるなど、関係のある業界分野の事業者にとっては、留意すべき点も多く見られます。

そこで本年も、当職の方で特許庁による「変更点一覧」を確認いたしましたので、本ページにて情報を取りまとめたいと思います。ご参考になれば幸いです。

なお、下記の情報は、変更点一覧にある一部を抜粋したものです。
注目度が高いと思われるものをピックアップしておりますが、参考訳変更などの細かな変更点は他にもありますので、詳細は上記特許庁のサイトを各自ご確認願います。また、国際分類の変更点も併せてご確認されることをお勧めいたします。

今後、更なる変更や修正・訂正が入る可能性もあります。
情報のご利用に当たっては、適宜特許庁のホームページもご確認願います。



1.新規追加

「国際分類第11-2022版」では、以下の商品・役務等が正式に追加されています。


・第6類「金属製記念カップ」(20E01)
・第6類「金属製記念たて」(20E01)
・第11類「家庭用蒸気式電気美顔器」(11A07)
・第15類「洋楽器の部品及び附属品」(24E01)
・第15類「和楽器の部品及び附属品」(24E01)
・第15類「和楽器用リード」(24E01)
・第36類「暗号資産の管理」(36A01)
・第36類「暗号資産の売買又は他の暗号資産との交換」(36A01)
・第36類「暗号資産の売買又は他の暗号資産との交換の媒介・取次ぎ又は代理」(36A01)
・第39類「廃棄物の収集」(42K01 42K02)
・第39類「一般廃棄物の収集」(42K01)
・第39類「産業廃棄物の収集」(42K02)
・第41類「録音又は録画済み記録媒体の複製」(40D01)
・第44類「景観の設計」(42N01)
・第45類「着物の着付け」(42C01)

第14類「記念カップ」が、第6類「金属製記念カップ」と第14類「貴金属製記念カップ」に、第14類「記念たて」が、第6類「金属製記念たて」と第14類「貴金属製記念たて」に分かれています。

また、第40類「廃棄物の収集・分別及び処分」等も、第39類「廃棄物の収集」と第40類「廃棄物の分別及び処分」に分かれていますので、注意が必要です。

第44類「景観の設計」や第45類「着物の着付け」等は、現在でも願書記載が認められている表記ですが、正式に審査基準の短冊として採用されることになります。



2.区分の変更

「国際分類第11-2022版」では、以下の商品・役務等の区分が変更となります。


・第5類「衛生マスク」 → 第10類へ
・第11類「家庭用超音波美顔器」 → 第10類へ
・第18類「かばん金具」 → 第26類へ
・第21類「浴室用腰掛け」 → 第20類へ
・第28類「色紙(いろがみ)」  → 第16類へ
・第28類「写し絵」 → 第16類へ
・第28類「折り紙」 → 第16類へ
・第28類「切り抜き」 → 第16類へ
・第28類「千代紙」 → 第16類へ
・第28類「ぬり絵」 → 第16類へ
・第28類「スターターピストル」 → 第13類へ
・第28類「昆虫採集箱」 → 第21類へ
・第28類「昆虫胴乱」 → 第21類へ

2022年より、「衛生マスク」は第10類の商品となりますので要注意です。
また、これまで第28類に分類されていた「折り紙」や「ぬり絵」等は、文房具類や紙類が分類されている第16類に変更となります。



3.類似群の変更

「国際分類第11-2022版」では、以下の商品の類似群が変更されています。


・第19類「貯蔵槽類(金属製又はプラスチック製のものを除く。)」
 09G59 19B49 → 09G59

商品の性質からすると、大部分の事業者には特に影響はなさそうです。



4.表示変更

「国際分類第11-2022版」では、以下の商品・役務等の表示変更がされています。


・第6類「落石防止網」 → 「金属製の落石防止網」
・第7類「ボール盤」 → 「金属加工用ボール盤」
・第7類「ダイヤモンド工具」 → 「金属加工用ダイヤモンド工具」
・第9類「X線管」 → 「X線管(医療用のものを除く。)」
・第9類「枠」 → 「眼鏡用枠」
・第9類「電気又は電子楽器用フェイザー」
 → 「楽器用エフェクター」
・第12類「バックミラー」 → 「自動車用バックミラー」
・第14類「記念カップ」 → 「貴金属製記念カップ」
・第14類「記念たて」 → 「貴金属製記念たて」
・第14類「針」 → 「時計の針」
・第15類「ピック」 → 「楽器用ピック」
・第15類「マウスピース」 → 「楽器用マウスピース」
・第15類「リード」 → 「洋楽器用リード」
・第22類「ガラス繊維」 → 「織物用ガラス繊維」
・第22類「金属繊維」 → 「織物用金属繊維」
・第23類「ガラス繊維糸」 → 「織物用ガラス繊維糸」
・第23類「金属繊維糸」 → 「織物用金属繊維糸」
・第28類「粘土」 → 「粘土(おもちゃ)」
・第40類「廃棄物の収集・分別及び処分」
 → 「廃棄物の分別及び処分」
・第40類「一般廃棄物の収集・分別及び処分」
 → 「一般廃棄物の分別及び処分」
・第40類「産業廃棄物の収集・分別及び処分」
 → 「産業廃棄物の分別及び処分」
・第45類「結婚又は交際を希望する者への異性の紹介」
 → 「結婚又は交際を希望する者へのパートナーの紹介」

楽器関連の商品が、より具体的な表記となっているのが目立ちます。
また、多様性に関する配慮によるものなのか、第45類「結婚又は交際を希望する者への異性の紹介」が、「結婚又は交際を希望する者へのパートナーの紹介」に変更されており、性別を問わないものとなっています。

なお、前述のとおり、第14類「記念カップ」は、第6類「金属製記念カップ」と第14類「貴金属製記念カップ」に、第14類「記念たて」は、第6類「金属製記念たて」と第14類「貴金属製記念たて」に、第40類「廃棄物の収集・分別及び処分」等は、第39類「廃棄物の収集」と第40類「廃棄物の分別及び処分」に分かれました。



5.削除

「国際分類第11-2022版」では、以下の商品等の削除がなされました。


・第9類「電解槽」(09A06)
・第11類「洗面所用消毒剤ディスペンサー」(19B56)

第9類「電解槽」の表記は不明確なものとされ、今後は第9類「実験室用電解装置」のように、用途を明確化する必要があるとのことです。



まとめ

今回の変更点は、業界分野によっては大きな影響がありますので注意が必要です。

繰り返しになりますが、特に「衛生マスク」の分類が第5類から第10類になる点は、要注意と言えるでしょう。その他、表示変更についても、願書の作成前に一通りしっかり確認しておくことをお勧めいたします。