特許庁が商標登録料等の支払期限通知サービスを開始
<新着ニュース> 2020年3月2日
特許庁ウェブサイトによると、令和2年4月1日より、
特許庁による「登録料等の支払期限通知サービス」が開始されるということです。
1.サービスの概要
アカウント登録を行った者が希望する商標登録の案件について、登録料等の次期納付期限日を電子メールにてお知らせするサービスになるとのことです。
これにより、各種納付手続の期限をうっかり失念して、商標登録(商標権)が失効してしまうのを防止するのに役立てることができます。本サービスの対象は、主に、中小企業・個人事業主・個人の権利者を想定しているようです。
なお、本記事では商標分野(商標登録料等)に関しての通知サービスをご紹介しておりますが、特許、実用新案登録、意匠の分野についても、同様のサービスが提供されます。
2.サービスの対象
商標分野において、本サービスの通知対象となるのは以下となります。
・次期商標更新申請登録料
一方、以下は本サービスの対象外となるようです。
日本国特許庁において設定の登録がなされた権利
・防護標章案件
・商標の分割登録番号を有する案件
要は、通常の商標登録番号が付けられている案件のみということになるでしょう。
なお、商標登録出願の登録査定後、設定登録のために支払う商標登録料(分納する場合は前期分)については言及がされておりませんが、本サービスの仕組みを考慮しますと、(商標登録番号が付いていないため)対象外になるものと思われます。
※こちらは、「登録査定を受け取ってから30日以内」に支払う必要がありますので、ご注意ください。
3.サービスの利用方法
令和2年4月1日より、利用が可能となります。
※令和2年3月2日現在、サービスの利用はできません。
専用サイトでアカウント登録後、通知メールを受け取りたい案件を設定します。
なお、「案件の設定は50件まで」という制限があるようです。
商標分野の通知の場合は、支払期限6か月以内となった際に、メール配信がされるとのことです(他のタイミングでメール送信がされる場合もあり)。
4.コメント
一般的に、設定登録時の商標登録料は10年分の一括納付が多いことを考えると、本サービスは、商標登録日から約10年後の「更新登録申請期限リマインダー」としての活用がメインとなりそうです。
商標登録を特許事務所に依頼した場合は、その特許事務所から更新期限が迫っている旨の通知や、更新登録申請手続の案内が来ることが多いですが、商標登録を自分自身でしたような場合は、なかなか期限管理まで行っているケースはめずらしいと思われます。
しかし、更新期限などが迫っていることをお知らせするような通知は、特許庁からは来ませんので、失念してしまうと商標登録(商標権)が消滅して、取り返しのつかないことになる可能性もあります。商標登録をした当時はよく覚えていても、5年、10年経つといつの間にか忘れてしまうものです。
そこで、大切な商標登録(商標権)をしっかりと維持していくために、備忘録の保険をかけるという意味でも、商標登録証を受け取ったタイミングで、本サービスの設定をしておくと良いのではないかと思われます。