マドプロ出願様式の統一(2015年11月19日)
<新着ニュース> by 永露祥生
特許庁のホームページによれば、2015年10月31日、
マドリッド協定議定書(マドプロ)がアルジェリアで発効され、
これによって「標章の国際登録に関するマドリッド協定」のみに加盟している締約国がなくなったことにより、
全てのマドリッド同盟加盟国に対し、一種類の出願書類で出願を行うことができるようになったということです。
(参考URL:マドリッド制度に基づく出願願書様式がMM2に統一されます (参考訳) )
これを受けて、国際出願のための願書は全てMM2に統一され、MM1及びMM3は廃止となるようですね。
実務上では、「マドプロ」がメジャーなせいか、「標章の国際登録に関するマドリッド協定」については
あまり知られていないのではないかと思いますが、こちらは「マドプロ」とは別物です。
ただ、条約ルール上、いずれの締約国も同一の同盟を構成することになりますし、
双方の締約国となった場合には「マドプロ」が適用されることになっております。
簡単に言うと、「マドプロ」は「マドリッド協定」のバージョンアップ版と考えて良いと思います。
今回、「マドリッド協定だけに加盟している」最後の国であったアルジェリアでマドプロが発効されたことで、
全ての国について願書の形式がMM2に統一できるようになった、ということだと理解されます。
実際のところ、MM1やMM3を使ったことのある弁理士は少ないと思いますので、
実務的な影響は大きくはありませんが、
一方で、マドプロ出願においてアルジェリアを指定することができるようになったのは、有益かと思います。
なお、2015年12月18日からは、ガンビアを指定することもできるようになります。
ちなみに、2015年10月時点でのマドプロ加盟国は、96か国ということです。
(参考URL:マドリッドプロトコル加盟国一覧)
毎年だいたい4~5か国が新たに締約国になっており、現在はタイ等の東南アジア諸国の加盟が待たれております。